居酒屋経営のクラスメートのこと

私が通っていた高校のクラスメートに、岡芹史郎君という男性がいました。
彼はとても明るく、裏表のない性格をしており、クラスの人気者で友人もたくさんいたのを覚えています。
そんな岡芹史郎君の家は、小さな居酒屋を経営していました。
大人になったら、みんなでうちの店に飲みに来てくれと、いつも彼は言っていたものです。
私を含めたクラスメートたちは、絶対に行くと約束していました。
しかし、高校を卒業すると、それぞれ大学生や社会人となり、新生活に夢中でそんな約束は忘れてしまいます。
少なくとも、私はすっかり忘れていたのです。
忘れていなかったのは、岡芹史郎君だけだったかもしれません。
彼は、自分を含めた皆が成人するのを待っていたのです。
成人式の日、会場で久しぶりに再会すると、2次会はうちの店で、と言われました。
懐かしい約束を思い出した私たちは、皆で彼の店に押しかけ、彼のご両親が作る気の利いた料理と初めてのお酒を楽しんだのです。
今では、彼が奥さんと2人でその居酒屋を経営しています。
時々飲みに行って、懐かしい話をするのが楽しみです。